教員一覧(2025年度)
生活プロデュース学科
近藤 哲
- 講師

プロフィール (自己紹介)
主に医療機関において、臨床心理士・公認心理師として、患者さんの心理的支援に携わってきました。急性期・回復期・慢性期、様々な医療領域を経験して参りましたが、特に終末期医療との関わりが長く、人間の「いのち」というものについて深く考える機会を与えて頂きました。現代社会においては、人間の「いのち」について、人間の「生きる」について、人間の「死」について、より一層丁寧に見つめていくことが重要であると感じています。
主な担当科目
- いのちをめぐる科学技術
- 体験から学ぶ身近な心理学
- 発達心理学
学生へのメッセージ
空のお天気が毎日移り変わるように、学生生活において様々なことを体験し、様々なことを感じる中で、みなさんの心のお天気も移り変わってゆくと思います。心のお天気が晴れの日もあれば、時には雨の日もあるでしょう。そして、どのような心のお天気でも、それはみなさんの成長にとってとても大切な意味があるように思います。可能性と将来性を秘めたみなさんの学生生活にかかわることが出来ることを、とても楽しみしています。
その他
【資格】
臨床心理士、公認心理師、精神保健福祉士、社会福祉士
保有学位および主な教育研究実績(抜粋)
保有学位 | 修士(学術) 放送大学大学院修士課程臨床心理学プログラム | |||
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研究分野 | 臨床心理学、終末期臨床 | ||
著書、学術論文等 | 年月日 | 発行所、発表雑誌、発表学会等 | 概要 | |
終末期の心理臨床~医療従事者の「内的体験」についての考察~(発表:共同) | 2023年6月 | 第25回日本医療マネジメント学会学術総会 | 末期がん患者への心理的援助に関する事例研究である。セラピストは、患者の語りに耳を傾けているうちに、セラピスト自身の、いつとも知れない過去の、どことも知れない場所に存在する何か対する「憧憬」を感じた。そして、患者も語りや夢を通して、自分自身にとって大切な「憧憬」を表現するようになった。「憧憬」は、終末期臨床において重要なテーマの一つになるのではないだろうか。 | |
交通事故による脳挫傷患者への心理療法について~コラージュ療法とイニシエーション(発表:単独) | 2022年12月 | 第26回横浜脳卒中・リハ連携研究会 | 交通事故による脳挫傷患者へのコラージュ療法に関する事例研究である。患者は、ある一貫したテーマのコラージュを作成し続け、並行して、身体的なリハビリに積極的に取り組むようになった。患者は無事に社会復帰を果たしたのだが、一貫したテーマのコラージュ作成が、患者の心理的変化を促した要因の一つであることが示唆された。 | |
終末期患者の心理的支援について~患者のこころのはたらきの根元的なものに関する一考察~(発表:共同) | 2022年3月 | 日本医療マネジメント学会第21回神奈川県支部学術集会 | 末期がん患者への心理的援助に関する事例研究である。セラピストは、患者の語りを聴く中で、患者がもっとも表現したい「何か」があると感じ、その「何か」をある自然的事物の形態の中に感じるようになった。そして、その自然的事物は患者にとって大きな役割を果たすこととなった。その「何か」とは、患者自身の心の働きを方向づけるより根源的なものだったのではないだろうか。 | |
患者が病前に描いた 絵画がセラピストとの関係性のなかで患者自身にもたらしたもの~セラピストの内的体験が重要であったケース~(単著) | 2022年3月 | 日本人間性心理学会『人間性心理学研究』第39巻第2号、pp.143~154 | 終末期の神経難病患者への心理的援助に関する事例研究である。患者とのかかわりにおいて、セラピストは自分自身の「内なる死」という内的体験を繰り返した。そして、この「内なる死」は、セラピストが患者と最後まで出会い続けるために必要なものであり、このようなセラピストと患者との相互関係において、患者は自分自身の人生について大切なものを見出すことが可能となった。 | |
医療従事者の死生観に関するアンケート調査について(発表:共同) | 2021年6月 | 第26回日本緩和医療学会学術大会 | 終末期医療に関わりのある医療従事者の死生観に関する調査を実施した。有効回答数201名、調査内容は老臨式死生観尺度への回答、自由記述、死生観に関するインタビューである。考察の結果、医療従事者は末期患者の死に関心を持って最後まで自分にできることを考えており、また、患者からの死に関する問いかけに気持ちが揺さぶられる体験をしていることが明らかとなった。そして、この体験は、終末期臨床の質の向上に繋がる重要なものであることが示唆された。 | |
歌を媒介にして行われた末期がん患者への心理的援助について(単著) | 2020年10月 | 日本心理臨床学会『心理臨床学研究』第38巻第3号、pp.196-207 | 歌を介しての末期がん患者への心理的援助に関する事例研究である。患者とセラピストとの相互関係において歌われた歌、思い出された歌の中には、患者の気持ちが音の流れや歌詞として表現されており、また、歌を媒介にして自身の気持ちに丁寧に触れることが可能となった。終末期臨床における歌の重要性が示唆された。 | |
日常生活場面の切り替えが難しかった児への音楽療法の試み(発表:単独) | 2015年10月 | 第26回重症心身障害療育学会学術集会 | 重症心身障害児への音楽療法に関する事例研究である。音楽療法という枠組みにおいて、自由な自己表現行う、音楽そのものに没頭する、という体験は、児の情緒的安定に繋がる重要な体験であることが示唆された。 | |
知的障害者授産施設における作業支援の取組~自閉症への個別的アプローチ~(発表:単独) | 2005年12月 | 日本発達障害支援システム学会 2005年度研究セミナー研究大会 |
知的障害者授産施設を利用されている、自閉症スペクトラム障害の方への作業支援に関する事例研究である。一人ひとりの趣味や性格的傾向に配慮した上で、構造化された作業環境等の提供を行うことが、情緒的安定性やセルフマネジメント能力の向上に繋がることが示唆された。 | |
学会および 社会での活動 |
日本心理臨床学会、日本ユング心理学会、日本人間性心理学会、日本医療マネジメント学会、特定非営利活動法人わーくあーつ理事 |