教員一覧(2024年度)

保育学科

田中 あかり

  • 講師
近影

プロフィール (自己紹介)

保育者になることを夢見て熱心に学ぶ友人たちとは違い、保育者になる自分を描くことができず、自問自答しながら過ごした学生時代でした。人生を変えたのは、大学院修士課程修了後に勤めた幼稚園での1年間でした。子どもたちとの生活は毎日が真剣勝負で、新鮮で、楽しく、生きている実感がありました。そして修了式、4月から大きく成長した子どもたちを見て、子どもにとっての1年の重み、そこに関わることのできる幸せを感じました。以来、すっかり保育に魅せられて現在に至ります。保育者として学んだこと、研究者として幼稚園に通いながら学んできたこと、そして近年親となり経験してきたことを学生の皆さんとの授業に生かしていきたいと思います。

主な担当科目

  • 保育内容総論
  • 子ども家庭支援の心理学
  • 保育者論

ゼミナール研究テーマ

乳幼児期の発達と保育、子育て

子どもの成長、発達を中心に、そこに関わる保護者、保育者、地域の人々、環境のより良いあり方について議論していきましょう。各自の興味関心を出発点に、メンバー全員が参加し、議論し、深めていくプロセスを大切にします。

学生へのメッセージ

子どもたちとの生活は奇想天外!命を預かる厳しい仕事ですが、それ以上に面白くて楽しくて驚くことがいっぱいです。保育者は一瞬で過ぎる人生の中でもかけがえのない大事な時期に関わることのできる仕事です。学生の皆さんには夢を大きく、失敗を次に繋げるたくましい保育者になって欲しいと思います。

保有学位および主な教育研究実績(抜粋)

保有学位 博士(心理学)首都大学東京
教育研究に関すること 研究分野 発達心理学、保育学
著書、学術論文等 年月日 発行所、発表雑誌、発表学会等 概要
母親の情動表現スタイルが幼児の気質に及ぼす影響 平成21年 『発達心理学研究』第20巻第4号、pp.362-372、発達心理学会 家族と共にいる時の母親の情動表現スタイルが幼児の各気質側面にどのように影響を及ぼしているのか、質問し調査より検討した。研究の結果から情動表現スタイルの背景に母親の子どもの情動の調整者としての役割が考えられることを挙げ,子どもの気質を支える環境について議論した。
幼児の自律的な情動の調整を助ける幼稚園教師の行動 : 幼稚園3歳児学年のつまずき場面に注目して 平成25年 『発達心理学研究』第24巻第1号、pp.42-54、発達心理学会 幼児が幼稚園生活の中で遭遇する葛藤や小さな混乱の場面を「つまずき」場面として,幼児にとっての情動的な場面で教師がどのように関わっているのかに注目した。幼稚園3歳児学年の子どもと教師を対象とし、子どもの情動調整の発達を促す大人の行動を探索的に明らかにした。その結果、教師の幼児を「突き放す行動」に,幼児の喚起された情動を瞬間的に弱め,幼児自身がその問題に向き合い自律的に情動を調整するきっかけを作る働きがあることが示唆された。
心理学検定基本キーワード改訂版(共著) 平成27年 実務教育出版 「発達障害と特別支援教育」「スクールカウンセリング」の2つの用語の解説を行った。
幼児のつまずき場面における幼稚園教師の「敢えて関わらない行動」の働き:幼稚園3歳児学年と4歳児学年の発達的変化に応じて 平成27年 『保育学研究』第53巻第3号、pp.284-295、保育学会 幼稚園3・4歳児学年の幼児の「つまずき」場面における幼児の発達的変化に応じた幼稚園教師の行動を明らかにすることを目的とした。幼児26名と教師1名を対象に両者のやりとりの観察記録と,教師へのインタビュー記録を収集し,2学年を比較し分析を進めた。その結果4歳児学年時になると教師が幼児の感情の発達的変化に配慮して「敢えて関わらない」行動を取るようになることが見出された。そしてこの教師の行動には「幼児の感情に配慮する」「幼児の主体的な行動を引き出す」「幼児同士の関係を繋げる」働きがあることが見出された。最後にこれらの働きの背景に幼児の自律的な情動調整を促す教師の行動のしくみがあると考察した。
新入園児Yの登園場面の葛藤に寄り添う幼稚園教師の行動:情動へのアプローチに注目して 令和元年 『保育学研究』第57巻第3号、pp.20-31、保育学会 登園場面で長い間不安を示した幼稚園3歳児学年の新入園児ゆうた(仮名)に焦点を当て,ゆうたの葛藤に寄り添う幼稚園教師の行動とその働きを観察記録と教師へのインタビューにより検討した。その結果,教師はゆうたの行動の変化に応じて「明るく話しかける」「ふざける」「遠くから見守る」といった行動を取っていた。そしてこれらの行動にはゆうたの情動に周辺的に関わりながら,自ら情動を調整する機会を提供することで,ゆうたの自律的な情動の調整を促す働きがあったと推測された。その前提には,教師による幼児理解と幼児と教師の関係についての理解があったと推測された。
子どもの感情に向き合うということ―保育者の役割と真の感情 令和2年 ミネルヴァ書房『発達』163号, 63-67 集団生活の場である園では、保育者の感性と方略の両輪が動くことで、子ども一人ひとりの感情へのアプローチが可能になるが、たとえ冷静な判断によるものであっても、保育者の行動の根底には子どもに向けた真の感情があるべきことを論じた。
ワークで学ぶ乳児保育Ⅰ・Ⅱ(共著) 令和4年 みらい 保育士養成課程における「乳児保育Ⅰ」「乳児保育Ⅱ」に対応したテキスト。第6章第3節「排泄の援助と環境」を担当した。
学会および
社会での活動
日本発達心理学会、日本臨床発達心理士会、日本保育学会、日本家政学会、日本発達心理学会分科会フランス語圏発達心理学文献を原典で読む会会員
このページのトップへ