湘北SDGs
【授業紹介】「ゼミナールII」生活プロデュース学科2021年度2年生卒業研究から(3)
テーマ:海洋汚染とプラスチックごみの現状
執筆者:チーム M&Y
1.目的
近年海洋汚染の影響からプラスチック製品やプラスチックごみに関する話題が増えている。そこで海洋汚染について、プラスチックごみの現状、課題を明らかにする。
2.方法
インターネットによる情報収集、文献調査。
3.結果・考察
最初に、プラスチックごみと海洋汚染の現状について述べる。現在海に存在するプラスチックは1億500万トン、毎年800万トン以上のプラスチックごみが海に流れ、約700種もの生物が影響を受けている。また実際に日本人を含む世界8か国の人の便を調査すると、全員の便からプラスチックが検出され、1週間に1人平均5gのプラスチックを体に取り入れていることがわかっている。
世界のプラスチックごみは79%が埋め立て不法投棄、12%は焼却、9%がリサイクルされている。リサイクル率が低いのはリサイクル困難だからだ。リサイクルには、廃棄物を再利用するマテリアルリサイクル、廃棄物の焼却処分の際に発生する熱エネルギーを発電や暖房設備に変換して再利用するサーマルリサイクル、科学的に処理をしてガス化し化学燃料に再利用するケミカルリサイクルがある。日本は6割がサーマルリサイクルであるがCO2の排出や地球温暖化問題への影響から欧米ではサーマルリカバリーと呼ばれリサイクルとはみなされていない。また、日本はごみの?輸出に頼っているという点が海洋汚染への悪循環を生んでいる。ごみの輸入国は殆どが途上国であり、プラスチックごみに汚れがあると手間やコスト面でリサイクルされず海に投棄されてしまうため、結果的に私達のごみが海に流出していることになる。
取り組みとしては、2017年中国はプラスチックごみの輸入を制限。2019年にはバーゼル条約に「リサイクルに適さない汚れたプラスチックごみ」を規制する案が採択され各国の取引量は減少傾向だ。家庭ごみの99%がリサイクルされるスウェーデンでは幼稚園で毎朝8種類のゴミの分別を自ら行う。
これらを踏まえ海洋汚染問題に対し私たちができることは、環境に配慮した製品を選びゴミを正しく分別することが重要であると考える。
(簗瀨)