湘北SDGs
【授業紹介】SDGsと社会デザイン 大貫繊維株式会社様の取り組み(2023年9月25日)
糸の町 半原から取り組むサステナビリティ
「SDGsと社会デザイン」(生活プロデュース学科1年生選択科目)は、今年度新規に開講したSDGsを学ぶ実践編の授業です。第2回では、大貫繊維株式会社の取締役経営管理部長 豊島様、シルク課主任 関根様、技術課勤務で本学卒業生の天利様をお招きし、自社で取り組むSDGsについてお話を伺いました。
同社は、明治27年に神奈川県愛甲郡愛川町半原の地で創業、当初は絹の撚糸業としてスタートしましたが、戦後は大手メーカーや商社との業務提携により、テイジンテトロン糸を開発、エースクラウンシリーズをはじめとする工業用ミシン糸のトップメーカーとして私たちの暮らしを支えています。現在は、中国やベトナムにも工場を展開しており、大手ファッションメーカーも、その品質の良さから、同社の糸を使っているそうです。
今回の授業では、撚糸から染色までのミシン糸の製造工程を詳しく学んだ後、同社のSDGs達成に向けた具体的な取組みについて伺いました。社内のペーパーレス化、CO2や汚水の排出量の削減、地下水の活用、再生ペットボトルを100%使用したエコミシン糸やボビンの開発、古紙でできた化粧箱の使用、規格外となった残糸の活用など、多様な取り組みを行っていることがわかりました。
授業後半では、同社がショッピングセンター等で一般向けに開催している、残糸を活用したワークショップを体験させて頂きました。学生たちは、規格外のミシン糸でできた組みひもを使い、手編みのキーホルダー作りに挑戦、20分ほどで素敵な作品に仕上がり大満足でした。大貫繊維様が自社製品を廃棄することなく活用する姿勢にとても感心した様子でした。
前期の「生活とSDGs」の授業では、残糸の使い道のアイデア出しを行い、卒業生の天利様を通じて同社にご提案しており、今回は豊島様からそのご講評も頂き、とてもよい振り返りにもなりました。
受講生の感想を紹介します。
SDGsの話では、「SDGsを理解する。行動する。情報発信する。」とおっしゃっていたことが印象に残っています。この3つは、どれも欠けてはいけないと思いました。(K)
今回大貫繊維さんのお話とストラップ作り体験をして、SDGsの取り組みが1つの企業でこんなにもたくさんの目標を達成しようとしているということに驚いた。このようにSDGsに力を入れた企業が増えることで目標達成に近づけるということを強く感じた。また、今回のように学校に来てSDGsについて話を聞く機会があることでとてもSDGsへの関心が深まると同時に意識が高まったことで、生活の仕方について考えさせられた。(中略)前期のSDGsの授業で得た知識に加え、具体的に取り組み内容を知ることが出来たので理解がとても深まった。(M)
製造工程の見直し、廃棄製品を無駄にせずワークショップを実施したり寄付をする、会社の中でも個人のSDGsの活動を記録し、報告し合ったりと会社全体でできる事を積極的に行っていて、私達も今までSDGsを少しずつ学んできて身近な存在になってきた今、まずはしっかり自分が小さなことでもSDGsを考えて行動し自分が広めていくことも大切だと改めて感じました。(K)
前期SDGsの授業で自分たちでも残糸を使ったアイデアを考えたので思い出すことが出来ました。実際に作った作品を見せてもらいました。可愛いし普段から使えるものがあっていいなと思いました。最後には、自分自身もストラップを作りました。作る工程も楽しくて、自分で好きな糸を選んだり、糸を編み込んで作ったり楽しんで作れるので凄くいいと思いました。楽しかったです。(T) (生活プロデュース学科 簗瀨千詠)