湘北SDGs

【授業紹介】「色彩学」ー衣服の"最終的な行き先"を考えるSDGs(2024年6月)

 今年度、私が担当する「色彩学A」、「色彩学B」(生活プロデュース学科 1、2年生選択科目)では、ファッション専攻以外でもファッションに関心のある学生が大変多く履修しているため、発展学習として、映画『燃えるドレスを紡いで』の関連映像を授業内で観ました。この映像作品は、現在日本で唯一のパリオートクチュールデザイナーである中里唯馬氏のドキュメンタリー映画です。

 環境負荷が高いといわれるファッション業界で大量生産・大量消費によって生まれた衣服。"ゴミ"となった衣服の最終的な行き先のひとつになっている、アフリカ ケニアで暮らす人たちのリアルな一言「これ以上、服を作らないでほしい」......各コースの1・2年生の胸にも響いた言葉だったようです。

 学生たちの振り返りを紹介します。

■服をゴミとして出してしまう人が多いのは、その何気ない行動が環境破壊に繋がるという意識の差が原因なのだと感じました。ゴミとなった服をドレスにする取り組みを見て、着なくなった服はリサイクルをする、人に譲るなど、ゴミを増やさないという意識も同時に高めていくことが必要だと思います。(1年子どもサービスコース Yさん)

■世界中からいらなくなった服がアフリカのケニアに集まっていることを初めて知りました。食品ロスは知っていましたが、現地の人が服を作らないで欲しいと言うほど大量の服のゴミがあることも初めて知り、とても驚きました。(2年医療事務・情報コース Kさん)

■映像で「服を作らないでほしい、世界中に服は十分にある」と言っていて、時期ごとにトレンドがあって服を作らなければならないというのも分かるから難しいなと思いました。自分も毎月新しい服を買ってしまうので今持っている服を大切にしたいと思いました。(2年医療事務・情報コース Hさん)

■沢山の衣服が乱雑に置かれている情景を見て、手軽に洋服を手に入れられる時代だからこそこのような状況になってしまっていると感じました。今後自分がファッションと関わっていく上で、購入からその後まで責任を持つことが大事だと気づきました。(2年ファッションコース Dさん)

■服は自分の個性を表すものなのに、ゴミとして人目のつかないところで捨てられ燃やされてしまうのはもったいないと感じました。私は服を買う時にすぐ飽きないかを考えて購入したり、長く着られるように意識しています。(2年フードコース Uさん)

■世界中で行き場のないゴミが溢れていると聞きます。誰かが住んでいた場所も(捨て場として)占領されてしまうのかと想像すると、感染症や貧困を引き起こす原因にもなるのではと思いました。「人が人に害を及ぼしている状況を変えていかなければならない」と私達一人一人が意識するだけで少し今の状況は変わると思います。私は、いつも着なくなった服は捨ててしまいます。しかし、廃棄せずに再利用できる方法は沢山あるので、捨てる以外の選択肢を考え、行動しなければならないと映像を見て感じました。(2年インテリアデザインコース Tさん)

■現在値段が安い通販サイトも話題になっています。以前自分でも値段にこだわり質を諦めてしまい、すぐ破けて捨てたことがありました。こういったことが積み重ねられた結果があのゴミの山なのだと感じました。SDGsは他の授業でも学んでいたため、最近は質を妥協せず、少し値段が高くても長く気続けられるもの・ちゃんと着るものを選ぶようにしています。(2年インテリアデザインコース Iさん)

映画『燃えるドレスを紡いで』予告編映像

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(生活プロデュース学科 非常勤講師 小島由記子)

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