
学生一人ひとりに声をかける
現代企業の仕組みや経営戦略についての知識を得る過程で、企業と社会の関係や企業で働くことの意味について考える。学生に求められるのは、意見を持つこと、そして伝えること。
「社会に出てほんとうに役立つ人材を育てる」――本学の教育理念を体現する米澤教授の講義は、学生との対話とグループディスカッションが活発な、躍動感溢れるものだ。ソニー株式会社に40年間身を置き、経営に携わった米澤教授自らが教壇から投げかけるリアルな題材。シラバスには、「企業の実態を知らないために就職について漠然と不安を抱いている学生諸君の受講を歓迎します」と書かれている。

課外活動でも学生とたくさんの交流を持つ米澤教授
1年生後期の全15回の授業。市場の役割や、新聞から読み取る企業の動き、企業にとっての法律や契約の役割、人材の活用法といった側面から企業の全体像に迫る。
12月の中旬、第11回の課題は「企業の資金はどのように調達されているか」。開始早々、米澤教授と学生の意見交換が活発になる。距離が近い。
「なるべく専門用語を使わずに解説する」と米澤教授。その解説は明快で、学生の表情からも知識が十分定着したことが伺える。しかし、より理解が深まるのは、その後のグループディスカッションだ。
今回のテーマは、「日本の企業が国際競争に勝つためには何をすればよいか」。教室内を巡回しながら、各グループに考えるヒントを与える。
「友人同士というささやかな世界で空気を読んでいても国際化はできないぞ」
米澤教授の笑顔が発言を後押しする。学生から出た意見に対しては、関連情報を与え、再考を促す。「正解」や「結論」を示すことはない。
考える、発言するという作業を繰り返す中で、学生たちのアイディアがより練られてゆく。より正確な言葉でプレゼンテーションされる。「海外の経営戦略を外国企業から取り入れる」、「海外市場の法律を知る」、「競争者の価格設定を調査する」など、学生から多岐にわたる案が出るに至った。
授業は回を追うごとに学生たちの自信を確かなものにしてゆく。

授業後もディスカッションの熱は冷めない
「勇気を出して言ってみようよ」と学生の発言を促し、その切り口から考えを深めさせる米澤教授の授業。そこには、学生の個性を尊重し、学生に歩み寄る姿がある。
「コミュニケートしようとする側がそうするのは当然のことでしょう」。
一方通行の講義ではない。学生一人ひとりと向き合う時間。
感激させること、それが毎回の授業で目指すところだという。
「"指示"ではなく"感動"で人を動かす。これは私がソニーの創立者である井深さんと盛田さんから教わったことです」。
人は感動した時に自ら動き始める。それまで、教職員は目をかけ、手をかけ、学生の成長をサポートする。これこそが、「面倒見のよい湘北」の教育手法だ。
創立以来、学生が職業に就くことを最大の使命としてきた本学。「今」の学生に最善の教育環境を探るべく、米澤教授は今日も授業の「現場」に立つ。
取材日 2010/12/14
※本文中の職名は、取材日当時のものです。


私は山が好きです。子どもの頃、長野県の八ヶ岳山麓にある小さな村に住んでいたからでしょうか。山のどっしりとした姿は人に安心感を与えてくれます。学生時代は四季の変化に魅せられてしょっちゅう山歩きをしていました。ソニーに就職してからは、あまり山歩きは出来なくなりましたがそれでも仕事の合間に丹沢山系には登っていました。今、また湘北短大の行き帰りに大山を眺めることが出来ます。若かった頃を思い出して元気が出てきます。