教員一覧(2023年度)

総合ビジネス・情報学科

毛利 香奈子

  • 講師
近影

プロフィール (自己紹介)

専門は日本古典文学(主に、平安~鎌倉時代の王朝物語文学)です。特に、『源氏物語』のあとに作られた物語作品に興味があります。「劣化版源氏物語」のように扱われるそれらの作品ですが、丁寧に、深く読み込むと、独特な面白さやオリジナリティが見えてきます。現代の作品でも深読みが大好きです。アニメも漫画もゲームも、宝塚などの舞台作品も、相関図を作ったりしながら楽しみ、深い沼にはまっていく日々を過ごしています。

主な担当科目

  • 日本語コミュニケーション
  • 言語表現とコミュニケーション
  • ゼミナールⅠ

ゼミナール研究テーマ

日本文化と物語の研究(「物語の力」を考える)

この世界には「物語」があふれています。それは昔話や小説、アニメや映画に限ったことではありません。たとえば、国宝の文化財も、その「来歴」というストーリーを持っています。コンビニで売っているお菓子も、「開発秘話」というストーリーを持っています。付与された「物語」は、人の心を動かし、新たな魅力や価値となっていきます。さまざまな「物語」を読み解き、より深く味わうことで、「物語」が秘めているパワーに触れ、それを伝えられるようになることを目指します。

学生へのメッセージ

大学時代は、とにかく「自分のため」に贅沢に時間を使うことができるのが魅力だと思います。複数のことにチャレンジするのももちろんいいですが、ひとつのことを徹底的に深めることも、大変貴重な経験になると思います。2年間の濃密な大学生活をぜひ楽しんでくださいね。

保有学位および主な教育研究実績(抜粋)

保有学位 博士(日本語日本文学、学習院大学)
教育研究に関すること 研究分野 日本文学、中古文学、王朝物語文学
著書、学術論文等 年月日 発行所、発表雑誌、発表学会等 概要
『いはでしのぶ物語の研究 ―王朝物語文学の終焉― 』(単著) 2022年1月30日 武蔵野書院 中世王朝物語『いはでしのぶ』を、先行物語(『源氏物語』や平安後期物語)に通底するモチーフを手掛かりとして読み解き、文学史上の位置づけについて再検討した。「似ること」「見ること」、手紙と噂、音楽、一品宮と密通、とそれぞれのテーマから本作を分析すると、「回復を志向する」という特性があぶりだされてくることを論じた。
『源氏物語〈読み〉の交響Ⅲ』(共著)
(担当箇所:「密通にもたらされる赦し―『源氏物語』から『いはでしのぶ』へ―」)
2020年4月10日 新典社 『源氏物語』と同時代、前後の時代の文学作品、歴史、文化などとの影響関係をメインテーマとした論集。担当箇所では、中世王朝物語『いはでしのぶ』と『源氏物語』の密通を比較した。
『東海道五十三次をよむ』(共著)
(担当箇所:「『海道記』『十六夜日記』の海辺」)
2020年10月29日 三弥井書店 東海道の名所を文学作品と絡めて辿る論集。第一章~第三章が江戸時代、第四章が江戸時代以前・以後の文学作品を扱う。担当箇所では、『十六夜日記』と『海道記』から、中世の東海道の旅における男女のまなざしの違い、移動手段の違いについて考察した。
『うつほ物語―国譲巻の世界』(共著)
(担当箇所:「「国譲」巻における「うつほ」―閉じられた空間と、動き出す過去」)
2021年11月24日 武蔵野書院 『うつほ物語』の国譲上・中・下巻の本文鑑賞編と関連論文8本を収録した論集。担当箇所では、国譲巻に描かれる「うつほ」空間に注目し、その中で過去を振り返り、再出発をはたす人々について考察した。
『王朝文学の〈旋律〉』(共著)
(担当箇所:「『いはでしのぶ』の雪―過去と現在の対照―」)
2022年2月1日 勉誠出版 神田龍身教授主催の研究会における成果をまとめた論集。王朝物語文学、日記文学などの論考16篇を収録。担当箇所では、中世王朝物語『いはでしのぶ』の雪に注目し、『源氏物語』や『枕草子』の雪の場面をどのように享受しているかを考察した。
学会および
社会での活動
中古文学会、日本文学協会、物語研究会、全国大学国語国文学会、狭衣物語研究会、中世王朝物語研究会
このページのトップへ